
発達障害を含む障害者の法定雇用率は今後も引き上げられる見込みであり、発達障害のある職員と共に働く機会は一層増えていくと考えられます。また、診断には至らないものの発達特性が見られる、いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる職員への対応も重要な課題です。しかし現場では「接し方が分からない」「どこまで配慮すべきか迷う」といった声が多く、対応に苦慮する場面も少なくありません。結果として、周囲の職員の業務負担が増大し、職場全体が疲弊してしまうことがあります。
発達障害への理解と対応は、個々の上司の力量に委ねられているのが現状ですが、組織全体として取り組むべき課題です。
本冊子では、最新の知見に加え、地方公共団体で見られる具体的な事例を通じて、発達障害のある職員への関わり方や支援のポイントを整理しました。研修資料や配付教材としても活用いただけます。本冊子が、発達障害への理解を深め、誰もが力を発揮できる職場づくりに向けた一助となれば幸いです。
監修:川口 俊介
心療内科・精神科かわぐちクリニック院長
〇発達障害とは?
〇発達障害の捉え方と対応ポイント
〇発達障害のある職員に接するときの基本姿勢
〇合理的配慮とは
事例1:みんなが忙しそうにしているのに我関せずの職員
事例2:できていないことに自覚がない職員
事例3:反抗的な態度をとる職員
事例4:他人の気持ちをくみとることが苦手な職員
事例5:優先順位をつけることが苦手で段取りを間違える職員
事例6:聴覚過敏のため物音や話し声に敏感な職員
事例7:過度な合理的配慮を求める職員
事例8:思い付きで指示する上司
〇発達障害のある人のメンタルヘルス及び身体の不調
〇心身の不調を防ぐために周りの人にできること
〇発達障害のあるメンタルヘルス不調者に受診勧奨する際の注意点は?
〇発達障害のある人への復職支援
〇上司・同僚が受けやすい精神的負担と必要な心がけ
〇人事部門・健康管理部門との連携
〇支える側のセルフケア
〇メンタルヘルス対策相談サポート窓口
2025年12月
B5 29頁 4色刷り