
近年の少子高齢化、グローバル化、情報化等の影響に加えて、保護者から寄せられる多種多様なニーズへの対応や求められる配慮の複雑化など、学校現場を取り巻く環境は変化しています。そんな中、教職員の公務災害認定件数は年々増加傾向にあり、精神疾患による病気休職者も過去最多を更新しています。さらに、教員のなり手が少ない、離職率が高まっているなど「教員不足」も深刻化し、現場で働く教員への負担も増大しており、教職員の職場環境の改善、安全衛生の整備は喫緊の課題といえます。
「学校現場での安全対策」として児童・生徒の安全確保はもとより、教職員の安全衛生にも適切な対策を講じなければなりません。
教職員の心身の健康が損なわれると、教職員自身やその家族だけでなく、児童・生徒や保護者、同僚、地域社会などにも影響を及ぼします。
本書では、学校現場で起こりがちな公務災害の防止対策例、メンタルヘルス対策、学校職場の環境づくり、また安全衛生管理について、実践的な内容で紹介しており、教育委員会、学校管理職、一般の教職員と、いずれの立場の職員にも役立つよう解説しています。
教職員の皆さんが安全で快適な職場環境の下、心身の健康を保ち教育活動に専念できるよう、本書がお役に立てば幸いです。
監修:山本 健也
独立行政法人労働者健康安全機構 労働安全衛生総合研究所
化学物質情報管理研究センター 化学物質情報管理部 部長
〇転落・転倒・墜落
〇運動中の災害
〇高年齢化による災害
〇熱中症
〇化学物質による災害
〇刃物・鋭利物による災害
〇衝突・激突、児童・生徒の行為
〇教職員のストレス
〇メンタルヘルス対策の推進体制
〇学校管理職による対策
〇教職員による対策
〇教育委員会による対策
〇対策の基本と改善ツール
〇学校現場での創意と工夫
〇安全衛生管理の必要性
〇不安全の背後にあるもの
〇法令で定められた安全衛生管理体制
〇学校現場でできる安全衛生活動
〇職場巡視の実施にあたって
2025年12月
B5 29頁 4色刷り