発達障害を含む障害者の法定雇用率は今後も引き上げられる見込みであり、発達障害のある職員と共に働く機会は一層増えていくと考えられます。また、診断には至らないものの発達特性が見られる、いわゆる「グレーゾーン」と呼ばれる職員への対応も重要な課題です。しかし現場では「接し方が分からない」「どこまで配慮すべきか迷う」といった声が多く、対応に苦慮する場面も少なくありません。結果として、周囲の職員の業務負担が増大し、職場全体が疲弊してしまうことがあります。
発達障害への理解と対応は、個々の上司の力量に委ねられているのが現状ですが、組織全体として取り組むべき課題です。
本冊子では、最新の知見に加え、地方公共団体で見られる具体的な事例を通じて、発達障害のある職員への関わり方や支援のポイントを整理しました。研修資料や配付教材としても活用いただけます。本冊子が、発達障害への理解を深め、誰もが力を発揮できる職場づくりに向けた一助となれば幸いです。
監修:川口 俊介
心療内科・精神科かわぐちクリニック院長
ハラスメントのない職場環境をつくるためには、管理職自身がハラスメントについて正しく理解し、自身の経験や価値観に基づく思い込みがないか振り返ることが欠かせません。万が一、ハラスメントが発生した場合には、速やかに対応し、適切に解決する姿勢も求められます。そのためには、日頃から予防策を講じ、職場全体でハラスメントを許さない環境づくりを進めることが重要です。
本書では、パワハラ・セクハラ・マタハラに加え、近年増えているカスタマーハラスメントにも触れ、ハラスメントの基礎知識や法律、管理職としての適切な対応方法、未然防止のためのポイントを解説しています。
さらに、繰り返し注意しても改善しない部下への関わり方がパワハラと受け取られた例や、相手が嫌がっていることに気付かずセクハラに該当してしまった例など、身近な事例を取り上げ、問題の本質や望ましい対応を分かりやすく示しています。
管理職研修の配布資料としてはもちろん、組織の職場環境改善の取組にも活用できる内容です。ハラスメントのない職場づくりに向けた第一歩として、ぜひお役立てください。
監修:津野 香奈美
神奈川県立保健福祉大学 大学院
ヘルスイノベーション研究科 教授
メンタルヘルス不調により休業する地方公務員は年々増加しています。メンタルヘルス不調の再発率は高く、いったん復職しても再休業となるケースも少なくありません。円滑に復職し、また再休業しないためには、休業期間をどのように過ごすかが鍵になります。
本書ではメンタルヘルス不調により休業された方々のために、復職までの全プロセスを示しつつ、休業前から休業中、復職後の職場定着まで、各段階での適切な過ごし方や気を付けることなどを具体的に解説しています。
また、休業された方のみならず、ご本人を支えるご家族や職場関係者がサポートする上で留意すべき点なども解説するとともに、職場の休業制度を書き込める様式や生活リズムを整えるための生活リズム表など、復職準備に活用できる様式も掲載しました。
休業者への休業前の配布資料や、ご本人を支える周りの方々のための参考資料などとして、是非ご活用ください。
監修:宇佐見 和哉
新宿ゲートウェイクリニック 副院長
近年、社会情勢の急激な変化に伴い、職場環境も大きく変化しています。業務内容の高度化や人間関係の希薄化など、働く人を取り巻く環境の変化により、職場での心理的負荷はますます大きくなっています。
仕事にストレスはつきものですが、ストレスを溜め込むと、心と体にさまざまな症状が現れ、心身の不調におちいります。そうなる前に、セルフケアについての知識を得て、実践することがとても大切です。
本書では、ストレスの仕組みや、ストレスに気づくこと、ストレス対処法、周りに相談する重要性など、セルフケアのポイントを紹介しています。ストレスの仕組みを知ることで、よりセルフケアが効果的になります。また、ストレスの対処法はレパートリーが多ければ多いほどよいとされています。本書で紹介している対処法の中から、ご自身に合うものを見つけて、是非実際に試してみていただければと思います。
セルフケアは職場のメンタルヘルスケアの基本です。今、メンタルヘルスに不調を感じていない人にも是非ご一読いただき、メンタルヘルス不調の予防、さらには今後職業生活を生き生きと過ごしていくための一助としていただけると幸いです。
監修:山本 晴義
横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川県産業保健総合支援センター相談員、埼玉学園大学客員教授
メンタルヘルス不調への対応は、身体疾患に比べてより多くの時間を要する傾向にあると指摘されています。特に初動対応を間違えると、ますます事態は困難化し、当人だけではなく、管理監督者、人事労務担当者、産業保健スタッフなどのメンタルヘルス対策担当者も、その解決のために更なる労力と時間を費やすことになります。同時に、職場全体の生産性にも、多大な影響を及ぼすことになるでしょう。
メンタルヘルス不調は誰にでも起こり得るものであり、メンタルヘルス対策担当者はメンタルヘルス不調の問題が組織にもたらすリスクを意識し、タイムリーに連携をとって、効率的かつ効果的な対応を行うことが必要です。
本冊子では、一般財団法人地方公務員安全衛生推進協会が設置する「メンタルヘルス対策相談窓口」に寄せられたご相談の中で、特に頻発している対応に苦慮しがちな事例(困難事例)を取り上げ(事例は特定できないように一部情報を加工しています)、発達障害など事例の背景にある要因にも触れつつ、主に管理監督者や人事労務担当者が「具体的に何をすればよいか」がわかるよう、対応策を解説しています。
本冊子が困難事例対応に悩まれている方々にとって、解決に向けた手がかりとなれば幸いです。
監修:宇佐見 和哉
新宿ゲートウェイクリニック 副院長
新入・若手職員のメンタルヘルス不調者の中には、一人で問題を抱え込み、周囲に相談しないまま状態を悪化させてしまう人や、仕事をしっかり行うためには生活習慣を整える必要があることを理解していない人が少なくありません。管理監督者など職場による対策も重要ですが、新入・若手職員自身が「自分の健康は自分で守る」という意識を持ち、実践することも同じく大切です。
本書では、一人で問題を抱え込まず、ささいなことでも周囲に相談すること、生活習慣を整えること、ストレスに気づき自分でできる対処法(セルフケア)を身につけることなど、新入・若手職員が押さえておくべきメンタルヘルスケアの基本を紹介しています。
仕事をするうえで、ストレスは避けられないものです。社会人としてスタートを切ったばかりの新入・若手職員にとって、自らメンタルヘルスケアを行う力は、必ず身につけてもらいたい重要なスキルです。新入・若手職員研修の配布資料などとして、ぜひご活用ください。
監修:種市 康太郎
桜美林大学リベラルアーツ学群 教授
職場のメンタルヘルス対策は、組織的に取り組んでいくことが重要です。中でも管理監督者による「ラインケア」は、メンタルヘルス対策の要とされています。
本書では、管理監督者に向けて、職場におけるメンタルヘルスの基礎知識を解説するとともに、メンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応、メンタルヘルス不調になってからの事後対策、職場の環境改善まで、ラインケアを実践するうえでのポイントを具体的に説明しています。
また、昨今、特にその増加が懸念されている若手職員のメンタルヘルス不調にも焦点をあて、その傾向を概観し、対応策を取り上げました。
管理監督者向けラインケアの最初の手引きとして、是非ご活用ください。
監修:神田東クリニック/MPSセンター 院長・センター長
高野 知樹
近年、多くの調査・研究から、口腔の健康状態は全身の健康状態と密接な関連があることがわかってきました。特に歯周病は、糖尿病、脳卒中など、全身の病気の発症・悪化に影響を及ぼすことが明らかになっています。また、老化に伴う口腔機能の衰えが、フレイル(虚弱)進行の前兆となることが指摘されており、口腔の健康づくりは全身の健康づくりに欠かせません。
本書では、地方公共団体で働く職員の一人ひとりが自身の口腔の健康状態に関心を持ち、口腔ケアに積極的に取り組めるよう、口腔と全身の健康状態の関係や正しい口腔ケアの方法をわかりやすく解説しています。
監修:日本歯科大学生命歯学部 歯周病学講座 教授
沼部 幸博
昨今の新型コロナウイルス感染症の流行では、先の見えない不安やストレスなどから心身へのさまざまな影響が懸念されていますが、依存症の増加もその一つです。仕事や人間関係によるストレスなど日常生活がきっかけになる場合も多く、どんな人でも依存症になる可能性があります。依存症になると、脳のコントロール機能が低下して自分の意志ではやめることができなくなり、本人の努力だけで脱却することは難しく、適切な相談先や治療へつなげる周囲の支援が不可欠です。本書では、さまざまな依存症の基本的な知識や治療法をはじめ、依存症の可能性のある職員への対応や脱却へ向けたサポート例について、分かりやすく解説しています。
監修:独立行政法人 国立病院機構 久里浜医療センター院長
WHOアルコール関連問題研究・研修協力センター長/依存症対策全国センター長
樋口 進
職場におけるコミュニケーション不足は、仕事へのモチベーションを下げ、生産性にまで影響を及ぼします。また、コミュニケーション不足が常態化すると、チームとしてのつながりが希薄になり、重大なミスやコンプライアンス違反などへの早期対応を困難にしてしまいます。本書では、職場での人間関係のストレスを軽減し、気持ちよく仕事をするため、コミュニケーションに関する課題の改善方法や、適切なコミュニケーションによる風通しのよい職場づくりについて、分かりやすく解説しています。
監修:心理学博士、臨床心理士、公認心理士
東京大学大学院医学系研究科 精神保健学分野 客員研究員
関屋 裕希